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始まりは突然に
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俺、槇原緑17歳。
ぴっちぴちの男子高校生。因みに帰宅部。
身長170㎝、趣味はゲームと昼寝。
好きな食べ物はカレー!
…嫌いな食べ物は野菜(緑色のもの)。
チャームポイントはこの前切りすぎた前髪と母親譲りのぱっちり二重。
勉強は少し苦手だけど体を動かすのは好き。
そんな、どこにでもいる男子高校生です。
「まきはらー、お前暇だろ。これ生徒会室に持っていっておいてくれー」
放課後、家に帰ってもすることがないので(あるけどやらない)教室に残ってゲームをしていたら、担任のめんどくさそうな声が聞こえた。
「えーっ…俺今ゲームしてて忙しいんすよ…」
「まあまあそう言わずに…、これを5時までに生徒会室に運ばなきゃいけないんだけど、俺このあとデートだからさー」
負けじとめんどくさそうに返すが、担任はそれを無視して俺の机にこれでもか!というほどのプリントの山を積み上げる。
「いーっすねー、デート………ん?
5時!?」
無情にも、時計は4時55分を示していた。
俺が今いるここは第一校舎の二階。
生徒会室がある第二校舎は別館で、しかも三階だ。
エレベーター何てないし、全力で走ったとしても10分はかかる。
それにこの大量のプリントを一人でもって、三階まで階段を上がっていくとなると軽く20分はかかるはずだ。
「ぜっっってえ間に合わねえじゃん!!!」
「あ、因みにそれ超重要な書類だから、遅れたら間違いなく生徒会長に殺される」
「はあ!?ちょ、無理!無理ゲー!無理だって!え!先生本気?!」
「じゃ!そういうことでっ」
「待てこらっ!…くそ教師いいいい!!!」
俺の渾身の叫びもむなしく、時計の針は進む。
こちらに向かって親指をたててながらウインクをかまし、口パクで「グッドラック」と言った先生は逃げるように教室から走り去っていった。
我が校誇る敏腕生徒会長、
"榊 崇文"
完全無欠、眉目秀麗、才色兼備…ry
そんなものをかき混ぜてくっつけて注ぎ込んで一つのものに無理矢理詰め込んだような、恐ろしい人間だ。
授業は特別な教室で個人授業らしいし、俺みたいな一般の生徒は、一年に数回、入学式等の大きな式で、とおーまきに演説している会長を見るだけ。
学校の中でどんな日常を過ごしているかなんて皆目見当もつかない。
一つだけ解ることは、
とにかく、
怖い!!!
ということだ。
教師ですら頭が上がらないらしい。
「俺の花の高校生活…終わるかも…」
真っ白なプリントの山、白い巨塔を恨めしく思いながら俺はため息をついた。
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