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「…っ、はぁ、はぁ……すいま、せん…」
「いや。もう大丈夫か?」
きついことに変わりは無くて、コクコクと頷いた。
「…何が正しいか、分かんねぇ」
「…どういう、意味ですか?」
「………」
高畑君はしばらくの間黙っていた。
さっきと違ってこの空間は息苦しくはなくて、高畑君は言葉を選んでいるようだった。
「……お前のこと。調べたんだよ、俺」
「………え?調べたって、なんで」
「俺らと一緒にいる奴を信用するためだ。もし内部の情報が漏れた時、仲間を密偵だって疑いたくねぇ。最近は特に情勢が荒れてきてるから、そういう手段を使ってくる奴が以内とも言い切れない。」
つまり、僕がみんなのところへスパイとしてやってきた可能性を恐れて、ってことだ。
それはみんなのことを大切に思ってるからこその行動だと思う。そんなことで、僕は高畑君を嫌いになったりしない。
……でも。高畑君は?
どこまで徹底したのかは分からないけど、入念に僕のことを調べたんなら、昔のことをきっと知られたんだと思う。
そうしたら、もうきっと一緒にはいられない。
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