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「キャーーーーーーーー美脚ゥーーーーーーーー!!!」
恥ずかしくて無言で部屋に戻ると、百合さんの雄叫び?で迎えられた。
び、美脚って、お世辞にもほどがあるよ…。百合さんはきっと、誰が何をしても褒める性格なんだろう。
「ぐほっ」
「し、しっかしりしろ藤!脚フェチならここで倒れてないで、最後まで見届けるべきだぞ…!」
「こりゃまたソソる脚してるね~」
「…エロい」
「さっきから悠里ポテンシャル高すぎない?二次キャラなの?」
みんな口々に勝手なことを言ってるけど、もう僕は何が何だか分からなくてついていけない。
もしかしてあれかな?あまりにも酷いから僕が落ち込まないようにフォローしてくれてる?でもあからさますぎだよ…。
「何食ったらこんな脚になるんだ?」
「ひっ…!ちょ、ちょっと!恭哉くん…!」
恭哉君はおかしくなってしまったのか、それとも天然か、本当に不思議そうな顔をして僕の脚をサラッと撫でてきた。く、くそう…もしかして慣れてる?
「あ、悪い。綺麗だったからつい」
「き、き、綺麗とか言わないでください!全然ですから!!」
「これを美脚って言わねーとか、お前は何を目指してんだ!パリコレか!」
「僕の脚なんて、男にしては筋肉が付いてないだけのヒョロヒョロじゃないですか!」
「でも女の子としてだったら丁度良いバランスじゃん~」
「いや僕男の子ですから!男ですからね?!」
何を言っても聞く耳を持ってくれないみんなは、女の子の脚について語り出した。俺はちょっとムチムチしてる方が好きだの、いやスラっとしてるほうが好きだの…。やっぱりみんな男子高校生だな。話題が僕から逸れてくれてちょっと助かった。
「いいわね…色が白いから、モノトーンが栄えるわ…。んんんでもピンクとかも着せたいぃぃぃ」
「とりあえずこのスカートはメチャクチャ似合ってるから買い物には着せていこう。上は…これだな」
ガサゴソと服を漁って、那智君は一枚のニットを選び出してきた。クリーム色とグレーが混ざったような色合いのそれはふわふわしていて、Vネックで胸元と肩が強調されそうなものだった。
「アンゴラニットね…いいとこつくじゃない。華奢な肩は正義よね…」
「俺は胸もケツも好きだけど一番そそられるのは肩なんだよ」
もう僕は諦めが着いてきて、抵抗することもなくそのニットを着て見せた。悟りを開いたよ…無我の境地…。
「良い!!良いわ!!超絶あざとい系美女!!!ありがとう!!!」
「いいね~、これで髪巻いてゆるっとした雰囲気出したら完璧じゃねーの」
「はい!はい!足下はストーム高めの黒い厚底パンプス決定です!!はい!!」
「このスカートのボタン外すの、すげぇ興奮しそう」
「恭哉くんまで何言い出すんですか…!!」
無法地帯かここは。みんな格好良くて女の人には飢えていないはずなのに、何で僕みたいなモサい男の女装姿に興奮してるんだよ…!
百合さんによると、これはラップスカートという種類のものらしい。左の太もものあたりで巻いている所が終わっていて、小さなクルミのようなボタンが五つ付いて、それで止められている。
ウエストが強調されるような造をしていて、ニットの前を緩く中に入れているから、かなりスタイルがよく見えるようになっていた。
「んー…改善するとすれば…個性がねぇよな…」
「そうねぇ…確かに量産型感が拭えないわね。それはそれで興奮するけど」
「とりあえず、服買ったら写真送るわ」
「じゃあ次は頭ね」
百合さんが取り出したのは、黒髪なんだけど透け感があって、重たくならないような不思議な色の、鎖骨くらいまでの長さのカツラだった。
今の髪をまとめてネットに入れられて、手際良くカツラが装着される。
「巻き方どれにしよう…。セミロングとかショートだとツイスト巻きが萌える…」
百合さんって独り言多いよね。基本何かしていると一人でぶつぶつ言ってるもん。反応した方が良いのだろうか…?
迷っている内に髪をブロッキングされて、いつの間にか温められていたアイロンでセットが始められた。
やはり手慣れているようで、そんなに時間も掛からずに終わってしまう。僕の用意が出来ると、みんなが立ち上がった。
「ほ、ほんとにこの格好で出かけるんですか…?」
「当たり前だ。今更嫌とか言わせないからな」
「あ、で、でも靴が…ないですよね…?」
「大丈夫だ。百合の足はクソでけぇから多分履ける」
「ちょっと言葉を慎みなさいよね。私だって一応女なのよ?」
「一応だろ一応。悠里、お前足なんぼ?」
「に、二五ですけど…」
「ちょうどピッタリね!身長もそんなに変わらないし、そのくらいだと思ってた!」
じ、地味に傷つく…。百合さんは女の人にしては、凄く背が高い。藤君も背が高いから、きっと家系なのかな?すっごく細いし、それこそモデルさんみたいな体型だ。
僕の身長は168㎝だ。ちなみに、百合さんの方が少し高い。きっと170㎝代なんだろうな…。
「背が高くなりたいです…」
「あら!これからなれるわよ!ヒール高いの履いてもらうから!」
そういうのじゃないんですよ百合さん…。でも、僕そんなに高いヒール履いて歩けるのかな?
「それじゃあそろそろ行くか!ありがとな百合!」
「こちらこそ!超楽しかった!」
「百合さんは一緒にお買い物行かないんですか?」
「行きたい所なんだけど、夕方からバイトなのよ」
「頑張ってね~。悠里ちゃんのことは俺らがちゃんと女の子にしてくるから~」
「ドフッ…女の子にされるのね…悠里ちゃん…」
玄関で、さっき言ってた黒のパンプスを出してもらう。ひゃー、すっごい高いよ…!二人が言ってたとおりサイズはピッタリだけど、なんだか足下がフラついて、不格好に見えてそうだと思った。
「絶対にガニ股で歩いちゃダメだからね!いってらっしゃい!」
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