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…んだけど、今のみんなにはそんなこと大して重要な問題ではないらしい。いつもなら、その先生が来ると静まりかえる教室も、今はキャーキャーザワザワ、落ち着く様子ひとつない。
すごいな、ミチル君と恭哉君の人気具合…。
すると、その生活指導の先生はなぜか僕たち三人の元に向かってズンズンと歩き始めていた。
何でかな…なんて思ったけど、みんなは騒ぎながらこちらに視線を向けているのだ。注目されているのは僕たちで、何か問題を起こしたとでも思ったのだろうか。
「なんなんだこの騒ぎは!お前ら何かしたのか!」
「え~、別に俺ら何にもしてないですよ先生ぇ」
「嘘をつけ!ならなぜ全員がお前らを見てるんだ!」
「…俺らが格好いいからじゃない?ねぇ恭哉」
「………悠里が可愛いからだろ」
え、えぇっそこ僕に振るの?!
「い、いやあの、すいません、騒がしくしちゃって…」
「…お前は誰だ?見ない顔だな」
「あ、えっと、その少し前に転校してきまして…」
「あぁ…そういえば転校生いたな。名前は確か篠宮とかいったか」
「は、はい!篠宮悠里と言います!」
「篠宮、お前桐谷達と仲が良いのか?やめておけ、こんな奴らと一緒にいると屑になっちまう」
なっ!なんで、そんなこと言うんだ…!仮にもあんた教師だろう、と言いたくなったけど、一応目上の相手なのでグッと堪える。
「き、恭哉君もミチル君も良い人ですよ…!先生からすると、校則守らない悪ガキかもしれませんけど…」
「今俺らちょっとディスられたな」
「だな」
「あぁん?こいつらが良い人なわけあるか。どうせお前、コイツらに誑かされたんだろ」
「たっ、誑かすなんてそんな…!この人達見た目は格好良いけど、案外馬鹿だからそんなこと出来ませんよ…!」
「またディスられたな」
「だな」
「…へぇ。コイツらが馬鹿なんて言われても怒らないなんて、さてはお前が誑かした側か。上等なモン持ってそうだもんなぁ?」
思わず立ち上がって言い合いをしていた僕の腰からおしりにかけてのラインを、サーっと先生のゴツい手が這い回った。
「なっ…!!や、やめてください!」
昨日のナンパのことが頭の中に蘇って、思わず手を振り払う。
「…おい」
それまでは関与せずに僕たちの会話を聞いていただけだった恭哉君とミチル君が、ガタっと席から立ち上がって、僕と先生の間に割り込んだ。
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