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田中の後ろにいた他の北高の奴らも、一斉に俺らに向かって走ってくる。
さっさと片付けて帰りましょっと。
「あ~あ、俺昨日三回もシちゃったから超身体ダルいのに~」
「知るか、テメェのせいだろ絶倫野郎」
「やだ~褒められちった」
その後もダルいやらキツいやら言いながらも、ミチルは的確に敵を倒していく。ミチルと背中合わせで喧嘩をしているから、後ろを見る必要が無くて楽だ。
そう言い切れるほどに、コイツの腕を信用している。
それはお互い様で、ミチルも全く背後を気にする様子は無い。
北高のやつらは全員しぶとい。大して喧嘩が強いわけでは無いけど、体力だけは一丁前だ。殴られて倒れても、少しすればまた立ち上がって向かってくるのだ。
人数もわりと多めだし、ちょっとキツいな。
アニメや漫画じゃあるまいし、血気盛んな男子高校生十数人を二人で片付けることは簡単じゃ無い。
…って、それをやってのける奴、一人だけいた。恭哉だ。アイツは本当に化け物なんじゃないかと思うときがある。
初めの出会いから衝撃的だった。あのとき俺らはまだ小学六年生で、まだ足に毛も生えていなかったと思う。
俺のこの、誰彼構わず喧嘩を売ってしまうのは昔からで、その日コンビニで屯していた高校生三人組に暴言を吐いた。
怒ったソイツらに近くの公園へ連れて行かれ、俺は容赦なくボコボコにされることになるのだが、戦闘ものアニメのヒーローのように登場した恭哉が俺の無念を晴らしてくれた。
それから連むようになるのは必然で、毎日毎日飽きねえのかってくらい一緒にいたな。それからミチルと紫乃と藤も増えて、えらく賑やかになったもんだ。
「くっ…これで、終わりだと…思うなよ…。今からもっと、俺らの仲間が増える…」
「あ゛?」
ボロボロの顔面でニヤリと笑った田中は、スマホをブラブラと指で揺らしていた。
「これ以上人数増えられると厄介だ。適当にズラかるぞ」
「そうね~、でもこれじゃ逃げる隙もないな~」
「………」
この空き地の出入り口は一つだけ。敵はまだ半分くらいは動けるらしいから、簡単にそこに向かわせてはくれないだろう。
全く、恥の無い奴らだ。二人相手に十数人ってだけでもダサいのに、応援まで呼ぶなんて…。
「…だからダメなんだよ、田中は」
「男らしさゼロだよね~。エッチも下手そう。キャッ//」
「そ、そ、そんっそんなこと、ねえし!!ちょ、超、てくテクニシャンだしィ?!」
「ブハッ!テクテク二シャンってなに!テクテクするのが上手ってことか?」
「あんよがじょ~ず、あんよがじょ~ず」
「噛んだだけだろォがァァアアァアアア」
「ね~、田中って叫ばなきゃ生きていけないの?うるさくない?」
「憐れな奴だな、田中」
「~~~ッ!言ってろ!そんな呑気にしてるのももう終わりだ!仲間が到着したからな!」
言葉通り、空き地にゾロゾロ恐つい面した奴らが入ってくる。十五、六人だな。
「北高って暇人ばっかだな」
「俺らに時間分けて欲しいよね~」
ほら、だって招集かけられてから到着するまでが早すぎねぇ?
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