アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
◆1-1 C-dur
-
昔、人魚姫のお話がとてもすきだった。
王子さまに惹かれた海のお姫さまは、魔女にお願いをしにいく。
「自分を人間にしてほしい」と。
「かわりに、お前の声をもらうよ」、そう言われても、彼女は迷わなかった。
美しい声を失ったとしても、王子さまに会いたかったから。
なんて儚いのだろうと、泡になったお姫様のことを思った。
切なくて、切なくて、どうしようもなかった。
だけど今考えてみると、なんて残酷な話なのだろう、と僕は少しおそろしい。
声をうばわれ、身体は痛み、
それでも結局何一つ、
手に入れられなかった人魚姫。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 439