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1-12 決意
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部屋を出ると、廊下にいた2人はこちらを振り向いた。
「悪いけど、お前出て行ってくれない?もう、来ないで」
「っ、」
一哉が冷たい声でそう言った。また、ああ、初めて聞く声だなあと思った。
言われなくても、僕はここを出て行くつもりだったし、もうこんなところには来ない。そう言いたかったけれど、
声を出したらそれと一緒に他のものまで出てきてしまいそうだったから、僕は無言で横をすり抜ける。
「そんな言い方ないでしょ」
リンは一哉にそう言って、
「ごめんね」
靴を履く僕の後ろ姿に謝罪の言葉をぐさりと刺した。
ひどく、惨め。
なんであんたがあやまんの、うるさい、だまれ、
言いたいことはいっぱいあって、だけど言えるわけもなくて、そのまま急いで部屋を飛び出した。
それから、街にはおりないと決めた。
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