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1-14 何者?
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入学式のあとは、教室に案内された。
なんだろこの教室…中学のときも、広い広いと思っていたけれど、それ以上なんですが…。
僕の家はお金持ちってわけじゃないから、中学のときもさんざん大騒ぎして、やっと慣れて…そしたらそれ以上の教室がいま現れましたよ。
っていうか、机がなんかつやりつやりとしているよ!これで勉強できるのかな…
「今年、外部からの入学生がいるらしいよ!」
「そおなんだあ、のむちゃんよく知ってるねえ」
「匠ちゃん、もうちょっと興味持って?」
「えええ、だってえ」
何に興味を持てばよいのやら。
「えと、どんな子なのお?」
「すっごい白い!髪の毛さらさら!猫目の美人さん。いろんな意味でネコさんだね。たぶん受けだから」
「後半、必要だったあ?」
「もちのろんろん!しかも、名前までぴったり!雪、っていうんだってさ」
「へえ~」
「匠ちゃん、興味!興味持って!」
同じクラスでもない子にまで興味持ってと言われても、そんなの無理だよおと思ったけど、
「野村、それほんと?」とか「雪ちゃんかあ、楽しみ!」とか、まわりからの声を聞いてるとむしろ僕が変らしい。
こういう、閉鎖的な学校ではしょうがないのかなあとも思う。
思うけれど、そうはいっても世界はここだけじゃないって、みんな分かっているはずなのに。
中学と高校、僕たちがここにいるのは長くて6年。
それなのに、どうしてみんなもっと「外」に目を向けないのだろう。
こんな小さな箱の中で恋愛ごっこをしているのは馬鹿みたいだ、とおもう。
それより、まだ最初のホームルームも始まっていない状態で、なんで外部入学の子がいるって知ってんのさ…
のむちゃん、何者?忍者?
僕はそっちの方が興味あるよ。
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