アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1-15 はじめまして
-
「席についてくださいー」
先生が入ってきて、それからは普通のHRだった。かあるく自己紹介をして、
…っていっても、大体中学からの持ち上がり組だから、顔見知りも多くって、僕のことを知っている人も何人もいた。
僕にとっては「はじめまして」のひとが多かったわけだけれど…。
「匠ちゃん、クラスではじめましての会やろうって話でてるんだけど、来られる?寮の談話室で、みんなでお菓子食べんの!」
「今日はレッスンだからあ、ごめんねえ」
「あ、そうか。きょうは月曜日か!」
週に1回、僕はピアノのレッスンを受けている。
お金持ちじゃないくせに、僕がこんなお金のかかる学園にいられるのはそのおかげ。
特待生なのです。えっへん。
こんな山奥の学園だけれど、芸術家は辺鄙なところに住んでいる、っていうのはよくある話なのか、近くの有名なピアノの先生が学園まで来てくれる。
この学園に決めたのは、その先生に習えるっていうことが大きい。
だから月曜日は、ピアノの日。中学のときから決まっている。
「そうなの、また誘ってねえ」
「おっけー。またね」
「ありがとお、またねえ」
のむちゃんに手を振って、僕はレッスン室へと急いだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 439