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1-26 作戦会議
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「でも今すきなひとがいなくて、告白されるのがしんどくなったらさ、
例えばどこかの親衛隊に入っちゃえば、その人のことがすきってアピールできるわけで、」
「なるほどお…」
「そういう学園ライフの楽しみ方もあるんじゃないかなーと思うわけです」
「…頭まわるねえ」
「よせやい、照れるやい!」
「べつに褒めてないけどねえ」
「匠ちゃん、ツンデレの才能あるよ。うん」
「んー、でも、アリかもねえ。それは」
告白自体が、迷惑なわけではない。ないのだけれど、僕の心はしんどい。
そんな僕の気持ちに、のむちゃんは気づいてくれていたのだろうか。
告白を断るのは、それなりにエネルギーを使うことだった。
断る理由なんて、必要ないはずで、強いて言えば、受け入れる理由がないことが理由、というくらいでいいはずで。
けれど思いをぶつけてくるほうは必ず僕に理由を求める。どうして、なんで。と
そのたびに、「僕は今後誰もすきになるつもりはないからだよ」、と言いたくなるけれど、そんなことを言って詮索されるのもいやで。
だからいつも、「ごめんなさい。」でおわる。おわらせる。
先生が入ってきて、僕たちの話はそこで打ち切りとなった。
だけどのむちゃんに話せたことで僕はけっこうすっきりしていて、
ありがとーっと背中に向かって小声でのむちゃんに言ったら、
のむちゃんは一瞬振り返ってにっこり笑ってくれた。
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