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1-35 歓迎会
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「んぅー、晴れかあ…」
歓迎会当日。
別に雨だったからって中止になるわけではないけれど、なんとなくこの快晴にめんどくさを覚えた。
誰か、僕の「宝」を見つけて終わらせてくればいいのにな、なんて他人ごとみたいに思いながら学校の体育館に向かう。
「1年生のみなさん、こんにちは。生徒会長の園田です。今日は、集まってくれてありがとう。
私は今日という日を、とても楽しみにしていました。皆さんも、そうだと嬉しいです」
にっこりと、体育館の壇上で響会長が挨拶をした。
入学式の日に一度言葉を交わしただけで、僕は彼のことを何も知らない。
だからたまに、本当の彼はもしかしたらこういう丁寧で誠実な今のほうなのかもしれない、と思うこともある。
もしくは二重人格?
「王道だと生徒会長って俺様なんだけど、こういうのもありだよね!!」
「のむちゃん、僕のシャツによだれつけないでよお?」
「じゅるり、わかっておる!」
「それより、ルール分かったあ?僕、のむちゃんだけが頼りなんだからあ」
「いち!問題をとく!に!上級生に次の問題をもらう!さん!問題をとく!よん!上級生に次の問題をもらう!ご!」
「わかったわかったぁ、問題を解いてその場所に向かうと次の問題がもらえて、それを何度もくりかえしてえ、宝にたどりつける、ってことねえ?」
「いえっす!どうしても分からなかったら、上級生にヒントをもらう!」
「なるほど」
宝探し、っていうからやみくもに探していいのかなって思ってたんだけど…
むしろクイズラリー、みたいな感じなのかな。
たしかに、ただ探すだけじゃ上級生との交流は皆無になってしまう。意外によく考えられてるな、なんて失礼なことを考えた僕だった。
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