アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1-39 うーん
-
僕は問題用紙に意識を戻した。5+5+5…全部かけても、えーっと…125にしかならないし。
どうしたら550になるっていうのさ。もしかして、5の5乗?待って、そんなの計算できない。
「うーん…わかんないなあ…」
「……みちゃん」
「んーー、これをこうして…むりかぁ」
「たくみちゃん!」
「ん?」
誰か僕のこと呼んでる?
「たくみちゃーーーん!!!!」
「わ、のむちゃん?!」
はるか彼方、列の先頭の方から大声で僕の名前を呼ぶのむちゃんの姿。
その前にはいつの間にかロープが張ってあって、こちらに来られないようになっている。
「たくみちゃーーーん、逆走、できないみたいーーーーーー」
「えええええ!とりあえずぅ、先にぃ、行っててぇえええ」
「分かったーぁ!先に進んだら、電話してーーー!」
「はーい!」
混乱を避けるためか、生徒会の列に並んだあとは元に戻れないようになっていた。
たしかに、生徒会のミナサマを眺めるために戻って来ちゃう人がいそうだから、っていう理由なら納得。
体育館の窓から見える校舎を見てみると、上級生が積極的に話しかけているみたいで学年問わずおしゃべりしながら宝探しにはげんでいるようだった。
「僕も早くあっちに行きたいな…」
誰にも聞こえないくらい小さくつぶやいた僕は、問題用紙を眺める。
がんばろう、とおもった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
58 / 439