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のむちゃんには、僕が浮気相手だったってことは伝えていないけれど、一哉と別れたと言ったときにいつもそばにいてくれたのは他でもない、のむちゃんだった。
僕はその優しさに、未だに甘えてしまっている。
「…一哉くん、来るって。この学園に」
「…え」
「週末、バスケの練習試合だって。そういえばいっちーが言ってたね」
「あ、いっちーが応援来てねって言ってたやつかなあ?」
「そうそう、それ!」
いっちーは1年生だけれど、もしかすると次の試合に出られるかもって言っていた。
のむちゃんと僕は観に行くからねっていっちーに言ってあったし、一哉が来るからと言ってそれを変えるつもりはない。
「なぁーんだあ、そんなことかあ」
「もし会うのヤだったら、応援行くのやめとく?」
「だいじょぶだよお、ただ観戦するだけだしい?」
半分自分に言い聞かせるように伝えると、本当に大丈夫な気がしてきた。
けれど、のむちゃんは心配そうな顔をしたままで。
「僕は、だいじょうぶ。」
だって、半年の前の僕とはちがう。
今はのむちゃんも、いっちーもいる。
僕はちゃんと、前に進んでいるよ。
第1章 終わり
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