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◆2-1 ランクイン
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「すきだ」と「すきだった」には深い深い溝がある。それは、「すき」と「きらい」との溝以上の深さで。
だけどどうして僕たちは、「すきだった」に引きずられてしまうのだろう。
こんなにも。
土曜日。
いっちーの試合の日がきた。のむちゃんが部屋まで迎えに来てくれて、一緒に試合会場まで向かう。
「今日、村崎慶も出るかもしれないって!正式にはまだバスケ部じゃないんだけど、本人的には入部したいみたい」
「本人的にはってえ?」
「え、匠ちゃん通達見てないの?!村崎慶、生徒会入りしたんだよ!だから両立できるかが問題みたい」
「へえ、そおなんだあ。村崎くんかあ、突然だねえ」
「待って、その様子だとランキングも見てないの?投票は?」
「ランキングー?投票ー?なんじゃそりゃ?」
「新聞部主催の人気投票だよ!そうだ匠ちゃんてば高等部のことほんと何も知らないんだ…」
ちゃんと教えてあげればよかった、とのむちゃんは何やら一人で反省していたけれど、
もし知っていたとしてもその人気投票に僕が投票するとも思えないから別にいいよ。
「抱かれたいランキングはぶっちぎりで会長だったんだよ、その次が副会長ね。でも副会長の場合は抱きたいの方に票がいっちゃってるからなー、人気自体は会長とそこまで差はなさそう!」
「ふうん、そおなんだあ!」
「匠ちゃん自分に関係ないみたいな顔してるけど、学年別集計でランクインしてたからね、匠ちゃん!」
「え、えええー?」
1位は真中雪ちゃんでしょ、2位は蘭ちゃんで、と指折り教えてくれるのむちゃん。
雪ちゃんが1番かあ。かなり納得感がある。この前の歓迎会でも目立っていたし。
でもなんで僕までランキングに入ってるの!いつのまに!投票される側は勝手にエントリーされちゃうわけ?!
「それランクインすると何かいいことあるのお?」
「んー、有名になれる?親衛隊ができたり?」
「げげげげげ!親衛隊!」
「もちろん拒否はできるよ、それに他の人の親衛隊に入ってたら基本的には作られないし」
「なるほどお…」
やっぱり親衛隊に入るべきだなこれは。急務!!!
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