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2-13 大丈夫
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寮に戻ると、のむちゃんが部屋の前で待っていた。
「匠ちゃん、おつかれさま、」
「のむちゃん…」
のむちゃんの目は「だいじょうぶ?」と聞いていて、でもそれを口に出さないのは彼のやさしさ、だとおもう。
だいじょうぶ?と聞かれたらひとは、だいじょうぶ。と答えるものだ。
それが、事実でもそうではなくても。
「のむちゃん、お腹減ったあ…」
「うんうん、パンケーキ食べに食堂行こう!きょうは僕のおごり!」
「え、食堂は賛成だけどお、おごりはいいよお」
「僕んちお金余ってるんだよ!気にしないで!」
さらりと自慢してるみたいだけれど、実際にのむちゃんのおうちはちょうお金持ちみたいだから嫌味にならない。
のむちゃんのキャラも関係しているのだろうけど。
のむちゃんは、僕の手を取って歩き始めた。本当に、やさしいな。
人魚姫のお話に出てくるとしたら、のむちゃんはお姉さまたちの中にいそうだなあ。
美しい髪を、人魚姫のために捧げるお姉さま。それくらい、のむちゃんの心はきれいだ。
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