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2-21 はじめての
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(トントン、トントン、)
ん?隣の席から、鉛筆の音とはまた違った音が聞こえてきてちらっと横目で見てみると、潤ちゃんが自分の机を人差し指でとんとんしていた。
その腕の下にはぎりぎりまでこっち側に置かれた答案用紙。
(は、や、く)
潤ちゃんは口パクでそう言って、もう一度だけトントン、と机をたたいた。
もしかして見せてくれてる?!
どどどどどうしよう。
僕は頭がわるい。
でもわるいなりに、今までカンニングみたいなことはしてこなかった。
頭がわるいのはしょうがない。しょうがないから、受け入れている。
だからこの状況に少なからず戸惑っていて、見るべきか見ないべきか、わあどうしよう。
「あと5分です」
先輩の声にパッと顔をあげると目に入るのはあのピアノ。
弾きたい弾いてみたいどうにかしてどうにでもして弾く!!!
僕の心は決まって、潤ちゃんの答案をうつす作業に入ったのでした。
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