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幸せ者
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しばらく揺られて着いたのは
洋風クラシックな煉瓦造りの小さな店。
路肩に車をとめ、兄の後ろについて中に入る。
意外にも室内は広く、大量の布と、スーツを着せられた数体のトルソーが 壁一面を覆うように置かれていた。
「いらっしゃいませ。」
中央左側にあるカウンターで、眼鏡をかけ 整えられた白髪をした見るからに英国紳士な男がにこやかにお辞儀をする。
「コレ、お願いします。」
兄が1枚の紙を英国紳士に渡した。その紙を見て英国紳士が笑みを浮かべる。
「こちらが例の弟さんですか。少々お待ちください。」
そう言い残して奥の部屋に消え、また 数分と待たずして 大きな袋を手に抱え戻ってきた。
「こちらになります。
御試着場までお連れ致します。どうぞ。」
少し広めの個室に案内され、先程の大きな袋を渡される。
「ボタン掛け間違える なんてダサいヘマすんなよ。」
兄が顔を覗かせ一言だけ言い放ち 個室のドアを閉めた。
「……………。え?」
速く自然過ぎる展開に唖然としたまま、
渡されたモノに目を落した。
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