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虚〔2〕
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食事を終えて建物を出た。
目の前に止まっていたタクシーに乗り込み、帰路につく。
「車はいいの?」
「…お前は俺を犯罪者にする気か?
アルコール入ってんだぞ。」
「それは分かってるけど…」
「明日電車出勤して帰りに乗って帰れば問題ない。
あそこはセキュリティもしっかりしてるしな。」
「そっか ……。」
すっかり冷めてしまった雰囲気を盛り返そうと事あるごとに話を繰り出しては、話している間に肝心の自身の気持ちが落ちてしまい、結局短いやり取りで終わってしまう。
そんな流れを何度もループして、
気がつくと 冷めきったまま、
真っ黒な夜を宿した自宅の前に立っていた。
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