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この日
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「葵…だよな?」
もう1度声をかけられ、葵は我に返った。
「あ、その…」
何がどうなっているのかわからない葵は、うまく言葉が出てこない。
「椎名葵…だよな?」
葵の名前を知っている謎の人物は、再び確認するようにゆっくりと葵の名前を呼ぶ。
葵にはわからなかった。
なぜこの人は自分の名前を知っているのか、
第一にこの人は一体誰なのか、
考えれば考えるほど、葵の頭の中はこんがらがるばかりだった。
若干癖のついた、少し長めの柔らかそうな黒髪。
少しタレ目で、まつ毛が長く、髪と同じ真っ黒な瞳。
172cmは身長のある葵でも、簡単に抜かされているであろう高い身長。
極めつけには、病気なんじゃないかってくらい白い肌。
怖いくらいに、綺麗だった。
「あの…」
やっとのことで言葉を発しかけたにも関わらず、謎の人物の声はその努力すら潰してしまう。
「なんでお前がここにいるんだよ」
いきなり手厳しいことを言われ、その瞳を恐る恐る見た葵は、動けなくなる。
真っ直ぐ葵を見つめる瞳には、どうしようもないほどの敵意がこもっていた。
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