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会社に着くと俺は8階、ゆきは12階へと別れてゆく
「部長、おはようございます」
「あぁ、八嶋くんおはよう
今日は遅刻しなかったね」
これがゆきをうちの部署の飲み会に連れてきた張本人
「それは本当にすみませんってー!
あの日は美穂が熱が出たって言ったじゃないっすかー」
「わかっているよ、ただ今日はいつもよりだいぶ早いみたいだからちょっとからかってみただけさ」
美穂は八嶋の年の離れた妹で
両親が他界している八嶋は美穂の世話を全てこなしている
俺に兄弟は居ないが両親がいない境遇はよく似ているので何かと世話を焼いてしまう
それにゆきを抜くと会社で唯一俺と素で楽しそうにする愛いやつだ
「あぁ、昨日から美穂が林間学校で泊まりに行ってるんで余裕があるんすよ」
「そうだったのか
美穂ちゃん風邪が治ったばかりで大丈夫なのかい?」
「俺も止めたんすけど随分と楽しみにしてたみたいで絶対行くのー!!!って怒られたっす」
怒られたやつの顔ではないがそれだけ彼女が可愛いのだろう
やはり家族というのはいいものなのだろう
「そうだ、さっき経理部が部長にこれ渡してくれって」
あぁ、今月の給料明細の確認書類、
もうそんな時期か…
「ありがとう、他には何かある?」
「いや、ないっすね」
「そう、じゃあまぁとりあえずは急ぎの仕事も無いし始業時間までゆっくりしてて」
「はいっすー」
.
やはりすの多いやつだな
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それから始業時間になって仕事を始めたが業務時間中にゆきに会うことは無い
会うとしたら…
「セーンパイ、お昼行こ」
お昼のご飯の時だ
あの飲み会の日からゆきは昼になると俺のところにご飯を誘いに来るようになった
会社の食堂で食べたり新しい定食屋を開拓したり給料日には少し高めのレストランへ行ってみたり…
普段は食に頓着のない俺はゆきの行きたい所へ着いて行くがたまに俺の見つけてきたところへ行ったりもする
すると必ず「先輩が見つけてきたお店の方が俺の選ぶ店より美味しいね」と言ってくる
するとそこの店がゆきのお昼ご飯メモにリストアップされる
本当に気に入ってなのか気を使ってなのかはわからないがゆきは俺に気を使うようなタイプでは無いので多分本心なのだろう
「今日はどうする?先輩なんか見つけた?」
「んー、今日は特に何も無いなぁ
ゆきはどこへ行きたい?」
こうなると大体は会社の食堂に落ち着くことが多い
「ふーん、じゃあ僕も特に考えてないし食堂いこっかー」
ほら、やっぱり
「いいよ、俺は今日はカレーにしようかなぁ」
「じゃあ僕はハヤシかなー」
そんなこんなでプライベートな時間と言うのはいつもゆきと一緒だった
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