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永瀬東 No.5
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「まあでも、よくこりないね。まだ好きって言うの?」
「言って悪いか」
「悪くはないけど、無理してんじゃないかな〜って。ほら、男子って溜まるモンがあんじゃない」
「………………」
何を心配してるんだ、こいつは。
確かに我慢するのは辛い。
だけど、好きな奴を自分で傷つけてしまうのはもっと辛い。
でも……、そろそろ………。
「限界だ………」
顔を机の上に突っ伏すと、直樹の手がポンポンと俺の背中を叩いた。
「悪いね。慰めてあげたいけど、あいにくアタシはそこまで相手にはなってやれないの。自分でどうにかしな」
「どうにかって……。出来るか、アホ」
「直樹。男の子はデリケートなんです。好きな子の何気ない仕草一つで反応しちゃうもんなんですよ( ^ω^ )」
「……お前に何が解る、腐女子」
少し顔を上げて、恨めしげに睨むが、無表情のその顔は変わらない。
「解らないかもしれませんけど、愚痴ならいくらでも聞けます。役立ちそうなら、使って下さい」
そう言って、頭を下げてくる杏は健気だった。直樹も柔らかく微笑む。
「無理して我慢するのは良くないし、ホントに辛かったらアタシもなんか考えてやるから。元気出せ」
そうやって笑う幼馴染みの顔に、一安心している俺がいた。
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