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永瀬東 No.6
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次の数学の小テストが明日に迫っていた。小テストだから、その日に返ってくるか、次の日くらいだろう。
俺はもちろん、悠也の勉強の面倒も見ながら、一緒に宿題や自習を進めていた。
晩飯を食べ、交代で風呂に入り、就寝時間の直前までお互い机に向かっていた。
風呂は特定の二時間の間に入っとかないといけないので、今日も悠也の後に俺は風呂へ浸かった。
部屋に戻るが、机に悠也の姿がない。
まさかと思ったが、案の定、俺の布団の中で眠っていた。
………あれほど、俺が帰るまで終わらせとけって言ったのに。指定した問題にも到達しておらず、寝るなと言った俺のベッドで寝てやがる。
これはもう、どうしたものか……。
俺がイライラとしていると、悠也が寝返りを打った。
こちらを向く寝顔の目の下には、うっすらとクマが浮かび上がっていた。
………そうか。
こいつ、何日もぶっ続けで勉強に励んでいたんだ。
俺には当たり前すぎて、というかそれが当たり前なんだけど。こいつにとっては、慣れない生活なんだもんな。
そう考えると、こいつは頑張っていたのかもしれない。
俺はベッドの余った場所に腰掛け、悠也の頭に手を伸ばす。
薄いクマをなぞると、目蓋が一瞬ピクリと動く。
起こさないように頰の方へ指を滑らすと、指先から温かい体温が伝わってきた。
鼻へ、唇へ、顎へ…………。
興味が湧くところは全部撫でてみる。
(なんか……楽しい)
こんな風に、人の顔を触ることなんてしたことがない。
楽しくなり、調子に乗って、ペタペタと触っていると、今までおとなしく閉じていた目蓋がパッと開いた。
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