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永瀬東 No.7
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慌てて顔から手を離すと、悠也が大きなあくびをした。
「ふわぁ…っと。あれ? 俺、寝てた?」
「あ、ああ…」
良かった。気付かれてないようだ。
目を擦りながら上半身を起こす悠也の顔を、まともに見ることが出来ない。
だが、悠也がそんな事を気にするわけがない。
「っていうか永瀬、風呂から出んの早くね? 俺、まだ全然やってないよ」
「見てぇだな」
軽く流し目で睨むと、視線をそらされた。
「……だって疲れたんだもん。休憩しようぜ、休憩!」
「したらお前、長くなるだろ」
「すぐするから!な?な?」
こいつは勉強するのが嫌なせいで、何かと理由を付けてサボろうとする。
だから一度宿題に手を付けたら、休憩は終わるまで一、二回くらい。時間もなるべく短くしてきた。
けど、面倒くさくても悠也が本気で嫌がることはしなかったと思ったのだが。
「………あのさ永瀬、やっぱ一緒に勉強すんの、やめない?」
悠也が切り出した言葉に、サッと俺の顔が青くなる。
「……嫌になったのか?」
「ちが……、そういうわけじゃないんだけど……」
「じゃあ、何?」
嫌になる以外で理由があるだろうか。
「その……永瀬も忙しいだろうし……」
「は?」
俺が忙しい?そのことなら、前に話したはずなのに。
「迷惑にはならないって言ったろ」
「いや、だって永瀬、彼女いるんだろ?」
「………は?」
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