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豊富悠也 No.1
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「ん……」
不意に意識が覚醒し、 目を開ける。
そこには見慣れた景色がいつものようにあった。窓から射し込む光で、朝だということが分かる。
(今……何時だ?)
気になって、ベッドサイドの目覚まし時計を見ようとして、伸ばした腕を止める。
(………ん?)
シーツに擦れる腕の感覚に違和感がして、目を向ける。
「…………ッ!!」
腕の素肌が視界に映った途端、昨夜の記憶が蘇った。
それと同時に身体の節々が痛み出す。
(な……ん、で……)
その言葉しか頭に浮かばなくなる。
ただただ困惑して、腕を伸ばしたまま固まってしまった。
しかし、身体の痛みの元凶である人物は、どうやらすでに部屋を出て行ってしまったようだ。
(お、落ち着け…!俺……)
時計に映った時間は閉寮時間ギリギリを指している。数十分後には、クラスで朝礼が始まってしまうだろう。
(…とりあえず、登校しないと)
鈍く痛む身体をゆっくりと起こし、ベッドからのろのろと這い出る。
幸い、鏡の中にいる、体中に小さな痣(あざ)がある人物などを意識する時間もなく、悠也は慌ただしく制服に着替え校舎に向かった。
(──どんな顔すれば良いんだよ……)
教室の前まで来たのはいいものの、前の方の席にいる東の顔を今は見たくない。
昨晩の記憶が悠也の体を固まらせた。
「………………」
何もしてないのに。
何もしていないはずなのに。
昨日、悠也は藪から棒に東に抱かれた。
いきなりのことで頭がついていけなくて、最後はあまりの痛みに気絶してしまった。
もちろん悠也は男の相手など初めてだし、そもそも同性に抱かれるなど想像もしたことがなかった。
しかし、何度嫌だと叫んでも涙を流しても、東が行為を止めてくれることはなかった。
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