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豊富悠也 No.6
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「………………」
「………………」
部屋に運ばれて、二人きり。いつもなら、何かしらの会話はするはずなのに。
今日は二人とも黙ったままだった。
悠也は掛け布団を寄せ集め、顔を覆い隠す。東の顔を見たくなかったし、自分の顔を見られたくなかったからだ。
布団からは、東の匂いがした。
(………永瀬)
悠也は東の匂いが好きだった。柔軟剤の香りでもなく、汗の匂いもない。
すっきりした独特な香りが、密かにお気に入りだった。
(………………)
今、東は何をしているだろう。
いつものように、一人で熱心に勉強しているのだろうか。それとも、悠也の方をそっと伺っているのだろうか。
「………………」
昨日は嫌がる悠也を無理やり強姦し、今日は倒れた悠也を心配してベットまで運ぶ。
一体、東は何をしたいのか。
この一年間、悠也と東に何か変化があっただろうか。
(分からない……)
現に今、東が何を考えているかも分からないのだ。
(──風邪引いたのはお前のせいだからな…っ)
体を熱くした熱はきっと風邪のせい。
何も考えたくなくなった悠也はそう結論づけて、やっと眠りの世界へと入っていったのだった。
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