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豊富悠也 No.8
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悠也は早速ホームルームが終わった後、早々と寮に帰り、課題のワークを片付けようと試みた。
ページを開くと、目を痛くする活字が永遠に並び、すぐに表紙を閉じたくなってしまう。
(いやいや……っ、ダメだダメだ!)
こういうのが自分の悪いところだ。しっかり注意しなければ、課題なんて終わらせられない。
「集中集中………」
黙々とやり出していく悠也。
しかし出だしは良いが、やはり人間は飽きてしまう生き物だ。
もともと苦手な勉強をやっているのだから、どうしても空欄が出てきてしまう。
その度にせっかくのやる気が失せてしまうのだ。
(ちょっとだけ……休憩……)
そんな悪魔の囁きが聞こえてくる。
少しぐらい寝ても、数分後に起きれば大丈夫。そう思って机に突っ伏した。
その時────。
(「…お前、目標決めてやってないだろ?だからすぐ飽きるんだよ。何ページまでやるとか、始める前に決めとくとやる気が続くもんだぞ」)
「………………」
どこからか、いつしか言われた言葉が聞こえた。
隣を見れば本人がそこにいそうなほど、リアルに。
「……決めればいいんだろ、決めれば」
半分不貞腐れながら呟き、再度気合いを入れ直してペンを取り、問題へ目を落とす。
すると不思議なことに、先ほどまで悩んでいた問題を少なからずも回答できるようになった。
合っているかどうかは置いといて、空欄が多い解答欄が埋まっていくのは大したものだ。
(何とか、この調子が保ちますように……!)
そう自分で願いながら進めていると、不意に部屋のドアが開く音がした。
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