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豊富悠也 No.14
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「──何でそこまでするんだ?」
静かな声音に、自分がとんでもないことを言ってしまったことに気づき、かあっと顔が赤くなったのが分かった。
「いや……その…、そうじゃないと、永瀬が出て行くから……」
「………………」
どこかに行ってしまうから。
どこにも行ってほしくないから。
引き止める理由はまだ分からない。でも、その想いだけはちゃんとある。
止めなければ、自分は必ず後悔する。
そんな予感がするだけだ。
「───軽いキスぐらいなら……」
「え…?」
呟かれたそれが聞こえず東を見やるが、その前に両肩を掴まれ、引き寄せられた。
「………嫌だったら、言ってくれ」
「なが……せ?」
「本当にいいんだったら………」
東の真剣な様子に、悠也も思わず喉をゴクリと鳴らす。
何もせずに瞳を見つめていると、徐々に東の顔が近づいてきているのが分かった。
(あ…………)
文字通り目の前に来た時、東が目をつむる。それに合わせて、悠也も目蓋を閉じた。
「ん……っ」
唇が触れた瞬間ビクリと身体が震えるが、両肩に置かれた手がそれを戒める。
(嫌じゃ……ない………)
東に、男にキスをされているのに、嫌悪感は感じない。
それどころか、まるで時が止まっているような感覚に陥ってしまう。
「んぁ……!?」
合わせる角度を変えたと同時に東の舌が口内に入ってくる。
「ん…っ、んぅ……んん……っ」
舌が混ざり合う度に、ざわりと皮膚が粟立つ(あわだつ)。
歯列を舌先で撫でられ、ぞくぞくという刺激が背筋を通っていった。
慣れない刺激に東の腕を掴むと、唇が解放された。
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