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豊富悠也 No.15
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「っは……、はぁ、はぁ……」
口が自由になり浅い息をしていると、東の手が顎に置かれ上を向かされた。
「嫌だったか?気持ち悪いって、思っただろ?」
そう決めつけるような東の言い草につられ、こっちまで悲しくなってくる。
悠也はふるふると首を振って、それを否定した。
「嫌じゃ、ない。気持ち悪くもない」
口内に残る舌の感触が残っていて、上手く喋れない。
ジンジンと疼く舌を叱咤(しった)して思いを伝えると、肩に置かれた手が重くなった気がした。
「……本当に?気ぃ遣ってないのか?」
「………嘘なわけあるか」
(こんな嘘吐いてどうすんだ)
「悠也……」
「おわっ!?」
突然、思いきり身体を抱きしめられた。
少しも身動ぐこともできないほど、強く強くかき抱かれる(いだかれる)。
「な、永瀬……?」
「───……だ」
「え?」
ぼそぼそと放たれた声が聞こえず聞き返すと、今度ははっきりとした声で繰り返された。
「好き」
「……っ!!」
「好き、好きだ悠也」
「ちょっと、永瀬……!」
どんどん肩に顔を埋めていく東に羞恥心が拭えない。
胸を押そうとするが、悠也の力では到底敵わなかった。
「ごめん、ごめん、悠也………」
「永瀬!お、重いって!もうちょっと……っ」
「好きになって、ごめん」
「─────」
その東の言葉が、悠也には妙に重たく感じた。
(永瀬は……何でそんなに俺のこと………)
多分、きっと東は本気で悠也のことが好きなんだろう。
どうしようもないくらいに。
その想いを抑えきれないほどに。
だけど悠也を想って、その気持ちをずっと隠していた。
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