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加藤千彰 No.2
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俺、加藤千彰は浜島高校二年生。
顔も良くないし、中身も良いところがあるわけでもないだろう。
そんな俺には、可愛い可愛い恋人がいる。
それが、一つ年上の御薬袋日向(みないひなた)だ。
日向は近所の幼馴染で、小さい頃からよく一緒に遊んだ記憶がある。
俺は日向が好きだった。
それを意識し始めたのはいつからだっただろうか。
物心ついた頃から、毎日日向に会うのが楽しみで、日向と話せなかった日はずっとモヤモヤしてた。
そしていつか、これが恋なのかと納得した。
生きてきてからずっと、俺の目には日向しか映ってなかったんだ。
「千彰、ただいま」
風呂から上がった日向が、髪を拭きながら部屋に入ってくる。
「ああ、おかえり」
両手を広げると日向は駆け寄り、床にあぐらをかいた俺の足の間に座ってくる。俺達の定番の座り方だ。
けど、これだとお互いの顔が見えないのが問題なので目の前の机の上に鏡を置き、ちらちらと目を合わせている。
可愛い日向の顔は何度見ても見飽きない。
「今日はまだ門限大丈夫なの?」
「平気。走れば15分で着く」
俺は寮に入っているから、時間の許す限り日向の家に入り浸る。
こうしないと、二人の時間が作れない。
「サンドウィッチとおにぎり、どっちがいい?」
「うーん……」
コンビニで買った夕飯を出すと、日向は身体を左右に揺らした。
すると、鏡越しに俺の顔を見て、柔らかくはにかんだ。
「千彰が先に決めて良いよ」
「えー、俺も選べねえよ。どっちでもいいし」
「んー……、どうしよっかなー?」
二人で譲り合いっこしていると、日向が両方とも手に取った。
「………半分こしようか?」
「……うん」
微笑みながら名案を言う日向に、思わず俺の顔も蕩けてしまう。
ダメだ、天使過ぎる……。
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