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加藤千彰 No.6
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何で?
俺達、上手くやってたよな……?
「ち、千彰?」
突然の俺の行動に、日向はパチパチと瞬きをする。
何も心当たりがないようなその様が、俺を余計不安にさせた。
「日向……、俺に隠し事してんの?」
「ふぇ!?い、いや、そんなこと……!」
引きつった笑みで誤魔化そうとする日向にイラつく。
俺に隠そうとしてる。
俺は日向に隠してることなんてないのに………。
「じゃあ、その痕(あと)、何だよ?」
「……!!」
日向は分かりやすく表情を変えた。
こういった、コロコロしたところが好き。俺は好き。
でも、今はそれが憎たらしい。
隠すなら最後まで隠してほしい。
そんなことを思う自分と、何でもかんでも暴いてやると言う自分が内側で闘っている。
「こ……れ、は………」
「俺のじゃないよな?じゃあ、誰のだよ」
「え、えと……」
日向はぐるぐると視線を泳がせる。
答えが待ちきれなくて、無意識に舌打ちしてしまった。
「何だよっ、最近顔見せなくなったと思えば、俺に隠れて浮気でもしてたのか!?それとも他に理由があんなら、何とか言ってくれよ!」
頼むから。
日向の言うことなら、俺はすぐ信じるから。
こうやって、ムキになって叫ぶ自分が情けないのは分かってる。
でも、今の俺を落ち着かせてくれるのは、お前だけだから……。
すがるように頼むと、日向は俺から目をそらした。
「千彰は……知らなくていいよ………」
それだけを残して、日向は部屋を飛び出していった。
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