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御薬袋日向 No.9
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よく出来れば『ご褒美』、出来なければ『お仕置き』。
説明するまでもない、とても簡単な指導が毎日と言っていいほど続いた。
弘一は、自慰行為もまだな日向の身体を存分に弄んでいた(もてあそんでいた)。
学校では、なるべく明るく振舞っていた。
ただ着替える時だけは、男子トイレに逃げ込んでいた。
身体中に付けられた生々しい痕跡を、誰にも見られたくなかったから。
日向が中学3年生になった頃、日向はある人物に心を惹かれるようになった。
「日向ー!一緒に帰ろうぜー」
部活が終わると、必ず迎えに来てくれる存在。
近所に住んでいる幼馴染みの加藤千彰だ。
「日向ぁ、俺待ってんですけど〜」
なかなか帰り支度が終わらない日向に焦れたのか、拗ねた口調で日向を急かしてくる。
「はいはい、ごめんね」
足踏みしながら呼ぶ千彰が微笑ましくて、教室から出ていく。
千彰は一つ歳下だけど、こうして二人で帰宅するのが当たり前になっていた。
帰り道の河川敷を、二人並んで歩いていく。
「あーあー、もう日向も高校生になんのかー。何かつまんね〜」
「また、そんなこと言って。千彰だって、たくさん友達いるでしょ?それに、高校生って言ったって、まだあと1年間あるからね?」
「ん〜、いねーことはねぇけど、俺は日向と喋りてえんだよなぁ」
「何それ」
だが、そうやって笑う日向も満更でもない。
学校が変われば、今のように毎日千彰と会えなくなる。
それは、とても寂しい気がする。
今まではただの幼馴染みで友達だった。でも、今は違う。
千彰にとってはそうかもしれないけれど、日向には初恋の相手なのだ。
どこを好きになってしまったのか聞かれると、よく分からない。
強いていえば、全部だ。
自分より高くなっていった背も、しっかりしてて頼れるところも、落ち込んでいる人をうまく笑わせられるところも。
全部、好き。
きっと、嫌いなところなんてない。
けれど日向がそうでも、千彰もそうだとは限らない。
そもそも、汚れてしまっている歳上の同性なんて、許容範囲にも届かないだろう。
この恋は、自覚する前から失恋同然なのだ。
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