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豊富悠也 No.21
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「あ、千彰」
「よお!」
放課後、校門近くをブラブラと歩いていると、一つのベンチに座る悠也の友人、加藤千彰とその恋人、御薬袋日向が居た。
「どうしたんだ、寮に帰んねーの?」
「今ちょっと暇。って、相変わらずラブラブだなー」
「えへへ~、そうでしょー?今日昼に一緒に居れなかったから、ちょっと二人で部活サボり中♪」
てへっと笑う日向に、悠也は先輩に対して失礼と思いながら、可愛いと思ってしまった。
「でも先輩、先輩は生徒会長じゃないですか。怒られますよ?」
「いーの、いーの。僕、今は少しでも千彰と一緒に居たい気分なの」
「おーい、今だけじゃねーだろ?」
「あ、そうだった!ずっと一緒がいいな!」
「おう!」
(何だこのバカップル…)
悠也は内心呆れながらも、この肩を寄せ合っている二人のことが不思議に思った。
どうしてこうも仲良く出来るのだろう。相手が本気でいるかどうかなんて、解らないのに…。
と、不意に校門のほうからわめき声が聞こえてきた。
何だと思って悠也が見ると、見慣れない男子生徒が数人、校門の前でたむろっているのだ。
「…あいつら、ウチの生徒じゃない…」
この高校での男子生徒の制服はブレザーだ。その不良達もブレザーのようでエリートそうな制服だが、結構着崩している。見るからに不良という感じだ。
「あー、また居るよ。困っちゃうなぁ、アレ」
千彰の胸から日向も顔を校門のほうへ向け、困ったような口調で呟いた。
「また、ですか?」
悠也が聞くと、日向も頷いてくれた。
「そうそう、あの人達。ウチの高校の人じゃないんだけどね、よく校門の側でああいう風にたまるんだよ。生徒会が注意したり、向こう側の先生や警察の人にも協力してもらってるんだけどね、なかなか直らなくて…」
「あー、大変ッスね…」
日向の説明に悠也は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
生徒会は何から何までこなす役割だ。こんなに動き回っていては、お疲れ様もいいところだ。
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