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豊富悠也 No.25
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また話しづらい空気になってしまった。
今のは悠也の発言にトゲがあったせいのがあるが、悠也だって本意じゃない。
こんな息の詰まるような関係、いつまで続くんだろう。
出来たと思っていた仲直りが出来てなくて、実はその気まずさを引きずっている日々に、悠也は飽き飽きだった。
しかし、やはりこうやって並んでいると、いつ東に押し倒されてしまうのか、そんな卑猥なことを考えてしまう。
悠也はそれを考える自分が嫌だった。もっと東を信用したいというのに……。
「──……い、……や、………悠也!」
「ふぁい!?」
突然耳元で自分の名を呼ぶ声が鳴り響き、悠也は間の抜けた声を出してしまう。
横を見ると、やはり不機嫌そうな顔をしている東が悠也を見ていた。
「……あ」
どうやら、また考え事のせいで意識が飛んでいってしまっていたらしい。
集中しろと言われたばかりなのに、繰り返してしまった失態に、悠也は戸惑った。
「え、えと~………、サーセンした」
おずおずと謝罪の言葉を口にすると、東はいつもの無表情な顔に戻った。
そしておもむろに机の上に広げていた教科書を持つと、席から立ち上がる。
「もう、終わり」
「え?」
「それじゃ、勉強しても意味がない」
突如告げられた終了の宣言に思わず聞き返すと、その意味を教えられた。
「そういう風に、他に考えてることに意識がいってると、いくら勉強しても身に入らない。覚えようとした分と時間が無駄になるだけだ。だから今日はもうなし」
「な……っ、何だよそれッ」
まるで自分のほうが格差が下のような風に言われ、思わず頭に血が上る。
しかし、色んな意味でそれは間違っていないため、すぐに押しとどまった。
「………………」
それ以上話すつもりのない東に嫌気がさし、悠也は部屋を飛び出した。
「どこに行く?───おい、悠也!」
玄関を出ようとした矢先に東の声が聞こえたが、悠也は気にせず寮の廊下へ出て行った。
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