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如月真 No.5
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「ねえねえ、真〜。話があんだけどさー」
翔太が真の後ろから抱きついてくる。
真は首に纏わりつく(まとわりつく)腕を剥がそうと、翔太の手首を掴む。
「何ですか?あ、仕事以外の話はナシでお願いしますね」
「え……」
真の言葉に翔太の動きが止まる。
予想通りの反応に、またため息が溢れる。
放課後に、真は来月の文化祭に向けてのプリントをまとめていた。
日向と直樹は他の用事によりいなくて、暇な翔太が真の手伝い、ということになっているのだが……。
「先輩、全然進んでないじゃないですか。やる気が無いなら出てってくれません?邪魔なんで」
「おい、先輩に向かって邪魔はねーだろ!」
「はい、他の先輩には言いませんよ?失礼ですから。でも、鵺野先輩は別です」
「ひどっ!?俺の先輩の威厳は!?」
爪でぐっと腕を引っ掻くと、翔太は真から飛び退いていく。
その代わりに、翔太は真のすぐ隣のパイプ椅子に座って、体をくっ付けてきた。
「文化祭が、もう来月にあるんです。その準備してるんですから、邪魔しないでください」
「あれ?もう、今日から五月?」
キョトンと首を傾げる翔太を見て、真は呆れ顔になった。
「そうですよ。これから準備が本格的になっていくんですから、先輩もちょっとは手伝ってくださいよ」
話はそこからなのかと、ため息混じりに説明をする。
翔太にはもっと、生徒会メンバーの一人としての自覚を持ってほしい。
そして自分の仕事を、なるべく後輩に押し付けないでほしい。
後輩の自分がこんなことを考えているなど、可笑しな話だが。
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