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14 姫と神獣5
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深夜は僕を泉に下ろし、向かいの地面に座っている。
気配が近づいてきて、自分の顔と僕の顔をすり付ける。
『綺麗な白。長さを揃えればもっときれいになるだろう。くすんだ色だった肌も髪も何もかも真っ白。目も綺麗な赤。どこもかもが綺麗だ。汚いところなんて一つもない。』
「…………あり……ありがとう」
洗い終わったのだろう裸のまま動物達が持ってきた毛皮に包まれた。
僕はまた深夜の背中に乗せられゆっくりとゆっくりとどこかに向かう。
綺麗な場所についた。言葉にあらわせないような。とても綺麗な場所。
深夜から伝わってくるのでこんなに綺麗なのだから実際見たらそれ以上に綺麗なのだろう。
『私らの家だ。姫もしばらくはここにいることになる。』
綺麗な場所の洞窟。辺りにはダイヤなのだろうか、見たこともないキラキラとした物がたくさんある。
深夜の目から伝わる。この景色に涙が出てきそうで…………
『姫。姫も、私らの家族だ。私の家族だ。』
そう、深夜が言うと深夜と似た気配がたくさんあることに気づいた。
…………家族
…………家族。
「…………家族……………………ありがとう」
目頭が熱くなって僕は下を向いた。
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