アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
21 ある伝説3
-
独りぼっちだと嘆いた子を王は愛していた。
その愛を知らずに子は泣き続けた。
その子を王は妻に迎えた。
悲しむ子を、独りじゃないと教えるために…………
けれど、子には届かない。
子は悲しみにくれ、悲しみの歌を歌った。
すると、大量の雨が降った。この国では雨が降らなかったため、民は喜び、王はその雨に拍手を送った。
子の悲しみを知る王ですらその悲しみを忘れ喜んだ。
もう何処にも、子の悲しみを知る人はいなかった。
神はあまりにも子がかわいそうだと思い、静かにもうひとつの力を与えた。
子が悲しみにくれた原因。
治癒の力だ。
少年はまた歌を歌った。
「守りの歌」だった。
戦から帰ってきた人に送った。
子は力のおかげで徐々に幸せになっていった。
同時に国は栄え、民が飢えることがなくたった。
少年は世に生きるものから愛された。
しかし、数年後20歳という若さでこの世から息を引き取った。
神もその少年を愛していた。神に愛された子の魂は真っ白になり消えた。
「いずれ、また子が幸せになるように」
そう願いながら…………
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 60