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㉗ 力があるとは?3
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僕の涙が引っ込むまでずっと彼女らは静かに背中をなでてくれた。
『ねぇ。あなたの自己紹介も聞きたいわ。』
涙が引っ込んだあと、そうミナさんがいった。
「…ぇ?僕ですか?」
『そうよ。あなたのことを知りたいの。』
真剣な眼差し。
何を言えばいいのだろうか?
「えっと。僕は、」
今まであったことを言えばいいのかな?
「僕は、たぶん。こことは違うとこ頃から来たんだと思います。」
『違うところ?』
「はい。違うところです。何が違うかって言うと僕もあんまりわからなくて。えっと。でも、違うところとはわかります。」
彼らの様子を見ながらゆっくりとしゃべる。
いつ敵意を向けられても、おかしくない話をするのだから。
「僕は、違うところで視力も、聴力も足も無くしました。」
『足も!?どうしたらそこまで……酷くなるの。』
僕は、目を合わせるのが怖くなって下を向いた。
嫌われた。
そう思った。
「ごめんなさい。」
こんな僕を拾わせて。
『バカ』
ギュっと温かい何かに包まれた。それがラウさんの腕の中だと気づいたのはメアがお兄ちゃんずるいと言って抱きついてきたときだった。
『謝らないで。』
「でも…迷惑『じゃない』………。」
『迷惑じゃないから。』
ギュっと抱きしめる力が強くなった。
メアちゃんとラウさんに抱きしめられながら
『俺たち、家族になろう。』
そう言った。
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