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㉟ 力があるとは?11
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Sideラウ
王に使えて4年がたった。
休みなく働いていたため久しぶりに休めと長期休暇が貰えた。
王都を超え、神域の森を超えた先にある自分の家に向う。
神域のすぐ横を超えたところで
フッと吸い寄せられる気がした。
おいでおいでと呼ばれた気がした。
呼ばれたところに行くと木々の間に黒い毛皮が落ちていた。
「なんだこれ?」
汚れてもいない。
よく見ると、黄色く淡い色で光を帯びていた。
魔力だ。
なぜ、毛皮から魔力が放出されるのだろうか。
不思議に思い毛皮に触れる。
パチと言ってさっきまで帯びていた光が消えた。
光が消えたことにも驚いたが毛皮の中で何かが動いた。
「…………ッ……」
声がしたような気がして毛皮をめくる。
めくるとそこには、小さく、細い子がいた。
驚いたのは、その子があまりにも白くて痣と傷が際立つようにあった事。
早く助けないと。
裸だった体を黒い毛皮で包み抱き上げ異空間魔法をかける。
一般人でもできる魔法だがそれは自分自身にする魔法で人にやったことがなかったが、やらなければこの子はやけどしてしまう。
灼熱の太陽が出ている。神域内では木々が遊々と広がっているため涼しいが、そこを抜けたら全く違った世界が広がっている。
この子を守るにはこの方法しかなかった。
たいした魔力があるわけではない。
ここから家まで数100キロ魔力がもつとは限らない。でもやらなければ。
この子を守るために。
抱き上げた子はあまりにも軽い
本当に誰がこんな小さな子をここに捨てたんだ?
山を超えもうスピードで走る魔獣を呼べばいいのだが悲しいことに先月から部下の魔獣との間に子ができただいま妊娠中なのだ。
そんな彼女を呼びだすのは気が引ける。
数時間たち家までつれてかえった。
母と妹のメアはつれて帰ってきたこの子を文句も言わずに助けてくれた。
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