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㊱ 力があるとは?12
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ルカが目を覚ましたとき本当に驚いた。
驚くことだらけで
あぁ。本当に守らないとと思った。
こんなにも、ギリギリで生きているやつなんて誰かが守らないといけないだろ。
一人では動けないため、殆どがベットだった。
悪夢に魘されるルカと一緒に寝るようになった。
小さい体に何を背寄っているんだ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
最近、母の体調が優れない。
父が死ぬ直前に見た体中の焦げ茶色の痣が母に出てきた。
すごく心配なのだが、移したくないそう言ってメアから離れて生活し始めた。
しばらくすると俺からも離れるようになった。
「ラウにはルカちゃんがいるからね」
移すわけにはいかないのよと部屋にこもる。
俺はルカといる時間が一日の殆どだ。
寝るときも、食べるときも何もかも一緒にいる。
「あの…ラウさん。ミナさんは?」
ルカも母の体調が優れないを感じるのだろうか。
心配そうな顔でジッとこっちを見てくるあたり気がかりなのだろう。
「厳しい状況だ」
「……そうなんだ…」
この世界は魔力で生きている。俺の魔力は火を操る力と守りの力だ。
だから、辺鄙な田舎から王の護衛として王都に呼ばれ働いている。
でも、この力より治癒の力が欲しかった。
父を助けたかった。母を救いたい。
だがこの世界には治癒魔法なんて存在しない。
しかも、もしできる奴がいるのならそれは膨大な魔力と精神力がいるだろう。
何事にも代償がいる。何かと交換で魔法を発する。
ほとんどの魔法は〈呪文〉と言う羅列を代償としている。
1年に一回行なわれる守禮の日は王が国全体を守る大きな魔法を使う。
それは大量の魔力が必要で神域の力を借りたとしても、
王は数日の時間を眠ったまま過ごすことになる。
神がお与えになった力はそうやって成り立っている。
伝説に残る姫の治癒の力。それは何が代償になったかは誰も知らないが人のために使う魔法は膨大な魔力が必要になる。それが答えなのだろう。
だが、願わずにはいられない。
「おにぃちゃん!おかぁさんが!!」
ほら、こんな時に………。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
今、何が起こっているんだ?
「治って」
涙歌がそう小さく言ったのが聞こえてから母の様子がおかしい。
淡く、儚く薄い膜を張っている。
「……これ…は」
これは涙歌を見つけたときのあの時の魔力だ。
母を包んでいるこの膜はルカが触れている場所から出ている。
「………ぇ……ど…ぉし…て」
母ばかり見ていたが、ルカが傾いていく。
ギリギリのところで支えることができたがあまりにもルカの体が冷たく冷えていた。
「ルカ!!」
呼びかけるが、眉間に強くシワを作ったまま目を覚まさない。
「ン……。」
先程まで息すらしてなかった母が、ムクリと起き上がった。
「え?どういうこと?」
母はそう言うが、
俺こそどういうことっと言いたい気分だ。
メアはただただ泣くだけだった。
もしかして、
これはただの憶測だ。
もしかしてルカは………姫なんじゃないのか?
これはただの憶測に過ぎないが、昔から、どの家庭でも伝説の話は必ず小さいときに聞かされている。
だが、俺は王に使えるもの。
少し詳しくその伝説について知ろうと思えば知ることができた。
姫は、王すら勝る魔力が、あるってこと。
そして、真に必要な時に膨大な魔力量とともに死んだ人間すら生き返らせることができること。
常に体に魔力が、纏わりつく。ルカを見てそうとしか思えないほど類似している。
死にかけていた母が元気な姿に生き返るそんな馬鹿げた話しを今目の前で見てしまったじゃないか。
事実かは知らない。城にある禁書に書かれていたのだ。
真実かは、、、知らない。
知ってはいけない。
これは禁忌なのだ。。
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