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44 王都6
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やはり、ラウの家は地下に作られている。入口が地面から突起したように出ている家が並んでいるこの街はどれがどれだかわからない。
「おい!ラウ」
家が見え、魔獣が降り立つ場所は無いらしかない。
空中か、ラウを探すために声を張り上げる
「シリア!こっちだ。」
1番手前の家からラウが出てきて手招きをする。
「ラウ!姫は?」
風に乗って聞こえた声はあまりにもつらそうに、痛そうにそして弱いそんな声だった。
早く、助けなければいけないそう焦る。
「シリア。この中だ。」
土の部屋の扉の前で予想は確信に変わる。
やはり、ラウが守りの力でこの部屋一体を守っていた。
扉に今も尚張られている魔法を通り抜け、姫がいるベットに向かう。
魔法は、強者が弱者の魔法を無効化することが出来る。
弱者は、強者にはなんぴとたりとも逆らうことは出来ない。
これが魔法の世界。これがこの世。
だから、ラウの張る魔法の結界は、ラウより弱者にあたる母親と娘はここには入れない。
入ってみて気づく。外とは違って涼しく、時間がゆっくりと流れているらしい。
ベッドに吸い寄せられるように足が進む。
真っ白な髪。真っ白な細い体。
夢に見た子だ。
苦しそうに眉間に皺を寄せ小さく息をする姿はあまりにも酷い。
真っ白が、所々赤く血で汚れている。
口や服、手にも赤い血がついていた。
ベッドでひとり。
胸を鷲掴みにされた気がした。この子を1人にしてはいけない。
俺はベッドに駆け寄り夢の子を抱き上げる。
思った以上に小さくて。思った以上に軽い。
距離が近くなって気づく。
真っ白な髪には見たこともない色の魔力が淡く通っている。
「・・・ひめ。…姫。」
(守らなくては。
この子は姫だ。俺の代で現れたってことは俺に任されたと言いうことなのだろう。)
歴代の中でも一二位を争うほどの魔力を持って生まれたからには守らなくては。
こんなにか弱い子を他に誰が守れる?
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