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45 王都7
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魔獣に跨り王都にラウと共に向かった。
向かう途中でラウからあったこと全てを聞いた。
半年前神域の近くで倒れているのを発見し家に連れて帰ったことから始まり、神域付近に生えているものしか食べれないこと。
目と耳と足が使えないこと。それでも、触れることで意思疎通ができること。
魔力を代表としてこの世界を全く知らないこと。
そして、自身に魔力があること。それが治癒の魔力であり、水の魔力であること。
ラウの母親をその力で助けたこと。その時の記憶はない。
具体的に俺の腕の中にいる夢の子……姫を見ながら言った。
「…………………………………シリア。この子は姫だろう。」
絶対にそうだと言った感じに既に質問文では無いラウの言葉に俺は頷く。
夢に見たことも同じだ。
行きと同じように風が頬にあたる。
後ろに乗っているラウにも風はあたる。
炎天下。昼過ぎのこの時間。太陽の近くを通る俺たちは魔力がなければ干からびているだろう。
いつも以上に丁寧に、優しく、それでいて早く飛ぶ俺の魔獣は俺の命令ではない。
何か、感じることがあるのかもしれない。
姫の長い、白い髪が風に揺れている。
「やっと、やっとこの世界が救われる。」
思わず口に出してしまった言葉にラウがピクリと反応したのがわかった。
「何だ?」
「シリア…………………………………いや、シリア様。
少し、お聞きしたいことがあるのですが。」
急に仕事モードに入ったラウを後ろに耳を傾ける
「姫は…………………………………この子はこの後どうなるのですか?」
王都は魔力が充満しているところ。
着いたら、体調もすぐ良くなるだろう。
この後どうなるか。そんなの、
「この後、俺と婚姻を結び、この国を救ってもらう。」
「…………………………………。」
質問に答えたが反応がないので少し後ろをむく。
「…………………………………な、なるほど。かしこまりました。」
当たり前のことを言ったまでだ。
伝説のようにはならさないように結婚し、俺が守る。
この国を救ってもらう。
なのに何故、ラウは納得していないんだ。
「差し出がましいのですが、僕が、この子の付き人を選んでもよろしいでしょうか。」
そうだな。信頼できないやつよりも信頼出来るやつの方がいい。
「わかった。」
吹く風にまた、声が聞こえた気がする。
『………………………………っ 』
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