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54 姫への執着9
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前王トザル様と別れて王様に抱き抱えられながら元いた白を中心とした部屋に戻った。
「『 今日はこのまま休め』」
そう言われてベッドに下ろされ王様の気配が離れていくのがわかった。
この国のことを聞いて何だか頭が混乱しているんだと思う。
話の中で1番気になったのは、伝説についてだ。
伝説とはいったい何なんだろう。
前王が伝説にとても強い思いがあることが話の中から伺えた。
そこまで思う伝説とはなんだろう。
姫とすごく関係があるような気がしてならない。
さっき王様に抱き抱えられながら見えた景色はとても綺麗なものだった。青い雲一つない空は何だか王様に似ていて堂々かつ広々とある青い空に目が奪われた。
太陽の位置からして今は昼頃なのだろう。ギラギラ照りつける太陽は暑いだろうに全然その暑さは感じられなかった。
それよりも丁度いいくらいの温度と湿度が保たれている気がした。
この世界のことをもっと知らなければならない。
でも、どうやって?
王様に直接聞くのは多忙な彼にはしのぎない。
本を借りて読もう。そう思い立ったが目が見えないことには読もうにも読めない。
そうすればこの世界のことを知ることが出来るのかな。
あ、誰かが入ってきた。
今までに感じたことの無い気配が近づいてくる。
(誰……?)
気配が手に触れると目の前にはアライグマのような雰囲気の男の人がいた。
『 はじめまして。今日から姫様の付き人となりますレオと申します。レオとお呼びください。』
大きなクリっとした茶色い目を少し細めながらそういいベッドに座っている僕の目線に跪いた。
「は、はじめまして、ルカです。ルカって呼んでください。……レオさん。」
何だか恥ずかしい。
ニコリとレオさんは笑う
『 では、ルカ様とお呼びさせていただきますね。』
様に違和感を覚えるが何重にも訂正するのも失礼かと思い諦める。
『 王から、暇にしてるとおうから本でも読んでやれとおっしゃられたので本を何冊かもってまいりました。本はお好きですか?』
「えっと、読んだことがあまりなくて………。」
本は好きだけど、実際読んだものがあるのはうっすらと年の離れた人にここはこう読むんだよと教えられながらだった気がする。
『 あ、す、すみません。では、私の読み聞かせに付き合っていただいてもよろしいですか?』
「お願いします。」
レオさんが手に取って読み始めたのはこの国の始まりについての本だった。
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