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「は、はじめまして、宮崎から来ました!さ、佐藤です……!下の名前は海に月って書いてみづきって読みます……!!こ、これから、よ…よろしくお願いします!!」
そう言い顔を上げるとパチパチと拍手する音や、ヒューヒューと冷やかす声なんかが聞こえてくる。
俺の名前は佐藤海月、高校二年生。先ほど言ったように下の名前は海に月と書いてみづき。察した人も多いと思うが実は海に月と書いてクラゲとも読む。
前まで住んでた宮崎の学校では小中ほとんどメンバーが変わらなかったためみづき呼びで安定してたけど、今までこの名前のおかげで自己紹介や履歴書なんかは恥ずかしい思いをしてきた。
手には汗が止まらないし、顔はひきつるし、体は硬直してしまう。転校生だからってみんな期待に溢れた目で見上げてくる……正直怖い。
父の転勤が決まり、宮崎から東京に越してきた俺は、新しい学校に今日から転入させてもらうことになったのだ。
「じゃあ佐藤くんはそこの空いてる席すわって」
担任の先生に言われた通り、窓側から二列目の一番後ろの席に腰を下ろす。
右隣は休みなのか誰も座ってなくて、左隣はめんどくさそうに外を眺めていた。
「1限は自習にするから、あー、西山!佐藤君に学校案内してやってくれ!」
西山……?
誰だろう…と思っていたら、左隣の人がめんどくさそうに溜息をしてめんどくさそうに返事をした。
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