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ガコン──と、音がなり自販機から出てきたスポーツドリンクを口に含む。
久しぶりに運動をしたもんだから、楽しいのはいいが、少し疲れた。
「おつかれさん」
そう言って現れたのはあんな動き回ったくせに髪型は崩れてないし体操服なのにやたらカッコよく着こなしてやがる奴。
体育館裏で1人で休憩してたのに、なんで見つかるんだ……しかもよりによって亮に…
「探した、こんなとこにいたのか」
……なんで探すんだよ
「お前、サッカーやってたの?」
「え……?、あ、うん。小学生の頃だけど」
「へぇ……」
なんだよその反応……どうせ下手くそだって言いたいんだろ……
「けっこううまいじゃん」
「へ……?」
「試合中はからかったけどさ、お前がうまくパスしてくれたお陰で点決められたし。指示も的確だし、なんつーか、周り良く見えてるっつーか」
褒められてる……よな??
そんなの言われたの…初めてだ。
嬉しい……
嬉しくて、全身の熱がこみ上げてくる……
「はは、また顔真っ赤」
亮はくしゃ、と笑い、右手で俺の前髪をなでた。
そんな風に笑うのか……そんなちゃんとした笑顔、初めて見た……
というか、触らないで欲しい…
なんで前髪に触れられただけなのに、こんなにドキドキしてしまうんだ……
「クラゲ」
「なに」
「こっち向いて」
「やだ」
すると亮の大きな手が俺の頬を掴んだ。
「クラゲのくせに生意気言ってんじゃねー」
次の瞬間、重ねられた唇。
この感触はこれで3回目だ。
暖かくて、柔らかい感触。
離れなきゃ、そう思っても全身が麻痺したように動かない。
やっとのことで亮の胸を押し返すと唇は解放され、少し寂しくなった気がした。
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