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「弓弦、あのさ……ごめん。この前…勝手に帰ったり、連絡も無視して……」
歩きながら、少し人通りが少ないところに出ると俺は弓弦に話を切り出した。
ちょっと暗くて良かった……顔見なくて済むし……
「全然大丈夫だよー!でもさ、なんでいきなり帰ったの……?」
「…お、俺も……、わからない……」
わからない。なんでだろう本当に。
亮に彼女がいたって知ってそれで……
「そー、なの…?みーちゃん、もしなんか悩んでるなら、俺に言ってね?」
弓弦が俺の肩をがしっと掴んで少し上目遣いで見上げてくる。
「ありがとう…」
弓弦はやっぱり優しいなぁ…
2人でニコッと見つめて笑うと、弓弦は花火始まっちゃうー!っと俺の手を引いて小走りし出した。
弓弦が連れてきてくれたところは広間のようなところだけど、花火を遮る木とかもないし、人もそんなにいない。いわゆる穴場スポットという所だ。
下に川が広がっているから、水面に花火がうつってとても綺麗だ。
「みーちゃん、綺麗だねぇ……!!」
「うん……!」
花火は、やっぱり何度見ても感動するものだ。
ドーンと音を立てて夜空に大きく咲き、大きい!すごい!綺麗!と、一輪一輪にいちいち感動させられる。
弓弦は目をキラキラさせて花火を必死に見上げていた。
そんなに喜んで、俺を元気づけるとかじゃなくて、自分が行きたかっただけじゃないのか?と思うくらいに。
でも来て良かった……。
弓弦と友達になって、良かったなぁとつくづく思う。
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