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(亮side)
あぁ、最悪だ。
クラゲが玄関まで出て、なにやら話し声が聞こえたから知り合いかと安心したが、まさか朝香が来ていたとは思わなかった。
俺を見るなり朝香はものすごく心配した様子で話しかけてくる。
クラゲのことなど、もはや視界にも止めない。もはや俺しか眼中にない。
本当に自己満足な女だ。
俺と朝香は幼なじみ。昔からこうだった。コイツは俺のことしか目にない。
やたらとベタベタベタベタ触ってくるところも、いつもより濃い香水も、色気でも出したいのか露出した服装も。きっと俺が落ちるとでも思っているのだろう。
呆れてはぁ……とため息が出る。
また勘違いさせてしまったのだろうか。
クラゲは叫んで出ていってしまった。
追いかけなきゃ、と起き上がろうとすると朝香に押さえつけられ、次の瞬間朝香が俺の上に馬乗りになった。
「佐藤君、あたしたちに気つかってくれたのよ」
「あ?」
「今日亮ちゃんの誕生日だから、あたし色々準備したの……。バイトでこんな時間になっちゃったけど、どうしても会いたくて……。」
「朝香、どけ」
「でも、風邪ひいてるなんて思わなかった……。言ってくれれば薬とか買ってこれたのに。なんならおかゆとか作るし……」
「おい、どけ」
「ね、今日はあたしが一緒に寝てあげる。ね、今日は特別。好きなとこ触っていいよ……?」
俺の言うことを無視して話し始め、ついには俺の手を取り自分の胸に押し当てる。
「離せ」
「なんで?触りたいでしょ?それとも…亮ちゃんは、コッチが好き?」
俺の手を今度は下に誘導しやがる。
「いい加減にしろ」
バッと手を振り払うと、朝香の顔はみるみる暗くなる。
黙ったかと思えば、俺の顔の両脇に勢いよく手をついた。
次に言われる言葉はもう予想がついていた。
今まで散々呪縛され、苦しめられてきた言葉。
「お父様に言いつけるわよ」
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