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文化祭
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「へぇー!後夜祭かあー」
「そう!まあ後夜祭って言っても出し物を燃やしてその炎を囲んでダンスするだけだけどね!」
朝、教室に入ると時雨が目をキラキラさせて弓弦と話し込んでいた。
「弓弦、時雨おはよう!何の話ー?」
「あ、みーちゃんおはよう!文化祭の話だよー!あ、ここ文化祭の後に後夜祭やるんだよー」
俺も席について荷物を下ろした。
後夜祭かあ……
「あ、後ね、後夜祭のフィナーレに花火が打ち上げられるんだ!」
「花火?」
「うん!でね、その花火を一緒に見ると、その人たちは両想いになれるんだってさーー」
花火……両想い……
へぇ…ロマンチックだなあ……!
「あー、おれ誰と見るんだろうなあーーー」
「へぇ、弓弦もそういうの、けっこう興味あるんだ??」
「えー!しーちゃん俺のこと子供だと思ってるでしょー??俺だって健全な高校生男子なんだからね!!」
ふははっと3人のあいだに笑いが起こり、いつもの日常が始まった。
本当はもう1人、いるはずなのだ。
だけどあれから、もう亮のことを考えるのはやめようと決めた。
とは言ってもやっぱり忘れられなくて辛いものは辛い。
亮が学校にこないのが、朝香さんと過ごしてるからなのだとすれば、辛いけど、仕方ない。
亮が学校に来たら、普通に接して、また一緒に笑えたらいい。
今は辛くても、きっとこの現実を受け入れられる。
そんな気がしていた。
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