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「わ〜っ、すごいね!時雨!」
「うん」
大水槽で巨大なサメを見て大興奮した俺は子供のように……いや子供よりはしゃいでいた。
「あっち行ってみよう!」
興奮して時雨をあっちこっち連れ回し、次にやってきた所はクラゲトンネルだった。
壁一面、天井まで水槽になっていて、そこにはたくさんのクラゲが泳いでいた。白いクラゲがピンクや青のライトで照らされて、なんとも幻想的な雰囲気でとても綺麗だ。水槽の前で立ち止まって、思わず見入ってしまった。
「くらげ……」
'' クラゲ ''
何故だか急に動悸が激しくなって、涙も出そうになった。
脳裏に焼き付いていた '' クラゲ '' と、俺を呼ぶあの声が頭をぐるぐると駆け回って、思い出さないように頑張っても、思い出してしまう。
「みづき?」
「…あ、えっと…」
そういえば、亮に会わなくなってから、俺クラゲって呼ばれてないんだ……
そりゃもうこの年になって、名前からかう奴なんて、亮しかいないよな
やめろって言ってもやめてくれなくて……
だけどいつしかそれも心地よくて……
昔から呼ばれるの嫌だったはずなのに…
自分の名前が大嫌いだったはずなのに…
「なんで…………っ」
「えっ、みづき?!」
気づいたら俺はぼろぼろと泣き出してしまったようだった。
なんで…………
なんで……今更呼ばれたいなんて────。
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