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02 (時雨side)
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昔から女の子にちやほやされても、その中の誰かを好きになることはなかった。
この町に越して来て、海月に出会うまでは、ただ父のようなお菓子を作りたくて、それだけのために生きていただけだった。
初めは、俺の作ったお菓子をおいしいおいしいと食べてくれる海月に心惹かれて行った。
けど海月には、大切な人がいた。
俺は入る隙もないくらいに。
なのに俺は、海月にどんどん惹かれていく。
ダメなのはわかっているのに、どうしても好きだ。
俺の周りの女の子たちは、こんな気持ちだったのだろうか。
初めて、片想いの辛さがわかった。
最近はいつも、常に海月のことばかり考えていた。
そうやって俺が好きになって行くばかりで、海月にはきっと振り向いてもらえないんだ。
俺がこんなことを思っていると知ったら、海月はどう思うだろうか。
気持ち悪い
なんて思うかな。
俺のためにも、海月のためにも、この気持ちはなんとしてでも隠し通さなければいけない。
海月は大切な、友達だから。
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