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ウィリアン家の夢と過去の記憶
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息苦しい…。
何だろうこの感覚は、ここに居たくない…。
ここはどこだ…?
『お母様この本を暗記いたしました!!』
『あら、貴方は本当に偉いわね、ゼロ母様は鼻が高いわ』
嬉しそうに微笑み、ゼロとよく似た紫の神の女に抱きつく。
何とも微笑ましい光景だろう、周りに咲き誇るバラ達はより一層2人を輝かせた。
なのに何故こんなに憎いと感じるんだろう?
ムカついて殺したいという感情が芽生えてくる。
ふと次の瞬間目の前の光景が代わり、さっきとは違う俺が良く行く湖のベンチが目の前に現れた。
『イヴ!寝ていないで勉強をおし!お母様に恥をかかせないでちょうだい!!』
緑の目をした女がイヴを叩き起している、イヴは知らんぷりして寝ている。
『お母様、俺はもう勉強をする必要は無いんだ、俺は眠いから寝る、お母様は財力が欲しいから強請るだろう?それと同じように俺は眠いから睡眠時間が欲しい』
イヴは済ました顔で言った。
『っ!このバカ息子!いい加減になさい!お母様を怒らせるのはおやめなさいな!』
パンッ!という音が響く。
イヴは、叩かれたのにただただ寝ているだけだ。
『バカはお母様だよ、俺はとにかく勉強しないわかったなら俺の前から消えてくれるかな?』
『貴方はまだ10歳なのですよ?!明日勉強をしなかったらお仕置きしますからね?!』
そう言うとプンスカしながら消えていった。
あぁ、憎い、イラつく、殺したい、黒い感情が俺の心を渦巻いていく。
ふと、視線を戻すと涙を流すイヴがいた。
『見てくださいお母様』
『ナルと作ったんです』
後ろから双子の声がした。
振り向けばそこは、人形に囲まれた歪んだ部屋だった。
『あら、可愛いわね、私より上手よ…そんなこと言うと思ったの?!そんなことやっていないで早くピアノを覚えてちょうだい!!』
手作りという人形は、歪でお世辞にも可愛いとは言えない。
青い目をした女は、ピアノを指し叫んでいる。
『あなた双子は勉強は出来るのに何でピアノは出来ないの?!お母様を悲しませないで!!!!』
悲しませないで?嘘だ。
彼女は嘘をついている、それも相当な。
『お母様悲しむの?』
『えぇ…悲しいわ』
『なら僕達…』
『頑張るよ』
双子は知っているんだ、彼女は自分達を財力を手に入れるだけの道具に過ぎないと。
【私は人間…。だからこそわかるのです】
「えっ?」
何で俺はアイツらの事をわかったように言っていたんだ?
それにこの声は…何だ?
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